=第四章=
[ADOBEL]
第23話・赤の108標

 

  トゥア王女の件で、あの一室で
  真実を知るべくに、スティアはアドベルを痛めつけた。
  もし、あの時、アドベルがこの事実を告げたならば、
  それは必ず、…ガイストの二の舞であるとするならば、
  自分ばかりか、クリス王女も…

 すべてを知るからこそ、アドベルは全てを甘んじて受け、そして、耐え…耐え続け、…死ぬ。
 王女ばかりか、そのさげすみ続けた自分も、そして、生き残る皆を守るために、死ぬ。
 その事実を知るのは、3人だけで、そして、この出来事で称えられるのはアポロだけで、…
 アドベルは記憶どころか、姿形さえ知られていない…そして、誰の目にもとまらぬところで消えていく…。

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