=終章= |
「…、終わったな」 洞窟奥、…決戦の場、…その中央。 そこには、あの男、ユーマという男が立っていた。 しかし、…周囲は閑散としたものである。氷塊も冷気もない。 ただ、胸に深々と剣を突き立てられたユーマが立っていた。 もちろん、それに苦痛も激痛も感じないような立ち振る舞いは、…次の行動で、理由がわかる。 右手でもって、左腕の甲冑を掴むと、かなぐり捨てる。 その左腕はからっぽだった。ちょうど肩元より左腕がなかった。 左腕の甲冑はそのカムフラージュだった。 が、…しかし、それも終わりで、 しばらく待つと、胸に刺さった剣が徐々に小さくなり、反対に左腕は根元から伸び始め、… 完全に吸収消滅したときには、左腕の指先までがユーマの体についていた。 |