=終章= |
「…さて、イレギュラーばかりのストーリーだったがな…」 生えた左腕を懐かしみ慈しむように眺めるユーマは、…視線を変える事無く、 独り言ちるように、…ただ、それでも彼の前に立つ者にと声をかけた。 「終わらせる気だけ、あっただけ、マシか。…現Adobizar」 ユーマの言葉にも、目の前に立つ赤髪の剣士、…アドベルは、無言で立ち、背に背負う大剣に手をかける。 そして、一言「貴方で最後です…」と、抜刀した。 アドベルの言葉に、陳腐さでも感じたのだろう。ユーマは視線を向けぬまま、鼻で笑う。 「確かに、私達[Adobizar]に選ばれたものは、少なからず力を優遇されているからな。ただ、何もかも許されているわけではない…。あくまで優遇なのだから」 抜刀し、構えるアドベルを視線を向け、ユーマは語る。 「お前の主能力は、エラブと同じ力、「超能力者を操る」ものだ。決して、私の主能力にあたる[AGOTOWに該当するものを吸収合併分離]する能力ではない。優遇で、確かにその能力も持ち合わせてはいるだろうが、私の比ではない」 再び、鼻で笑い、胸を大きく開いて見せる。さあ、刺し抜けと言わんばかりに。 「吸収限界も低く設定されているのに、だ。お前は能力持ちを4人も吸収したんだ。その状態で私を吸収できるとでも?」 |