=終章=
[終焉との決別]
第25話・赤の124標

 

 アドベルは大剣を胸元にひく。
「義父さん、母さん、私は二人を誇りに思います。私に[人間]の血を与えてくれた事を!」
 大剣が解け、アドベルの体に付着する。
「全ては、アポロを、クリス王女を、王国の皆を![人間]の呪縛から解放するため!そして、」
 そして、彼の皮鎧を紫色の金属で覆いつくした。
「その先にある、皆の未来のために、私がどうなるかも知っていても…、私は」

 そして、洞窟のさらに奥を見据え、アドベルは「堕ちてみせる」という言葉を最後に口をつぐんだ。

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