=終章=
[終焉との決別]
第26話・赤の125標

 

 [AGOTOW]とは何か。
 もちろん、それをアドベルは知っている。知っていたが、3人には伝えなかった。
 伝える必要性もないし、本当に知らなくてもいい事実でもあるからだ。

 ー由に[AGOTOW]とは何か。
 [AGOTOW]は二人の超能力者の名前と管理記号の略称である。
 その全称は、映画機材[アダルティ(青年向け)・ゴースト(隠蔽型)・オブジェクト(設置物)・トム・オリビア・ダブル(管理番数2)。
 トム、そして、オリビアは今の[地球]で生まれていない[超能力者]であり、そして、夫婦であった。
 地球外での[超能力者]は迫害対象であり、拘留対象である。
 それでも、二人は[人間]の目を避け、貧しくも、それでも生き、共に助け合い生きてきた。
 が、…[人間]にと見つかった。
 そして、映像演出のために、処置を施された。

  トムには、自分が助かるためにオリビアが裏切り捕まったと言い聞かせ、
  オリビアには、自分が助かるためにトムが裏切り捕まったと言い聞かせ、

    ただただ、伝え聞かせ、…
     愛が憎しみに、憎しみが嫌悪に、嫌悪が憎悪に、変わるまで
      ただただ、伝え聞かせ、…

 脳を取り出した。

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