=終章=
[終焉との決別]
第37話・赤の136標

 

  吸収したすべての[AGOTOW]吸収媒体を失った鎧もひび割れ、割れた部分より、徐々に石化していく。

 もう、数歩…もう数歩を前に、…鎧は、全て、石化し、…砂塵と化しだした…。

  流れていく砂にも、アドベルは、感情なく歩み続け、…もう1歩。
  腕を振り上げ、振り下ろせる距離まで、あと、3歩、程で…。鎧が砕け、…


   アドベルは、薄っぺらい、ただの布服のみが守るものとなった。

 急激に、進行するアドベルの石化。あと2歩。
  ただの2歩なのに、…。
   彼の足の自由を奪うように、足元から…。

 もう1歩と動けぬように…あとは、石化するばかり。

 「約束の刻だな」

  そのアドベルの口が開き、声が漏れた。
 ただ、その声は、ただただシワガレ、アドベルの発する声とは違った…。

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