=終章=
[終焉との決別]
第40話・赤の139標

 

「さて、私にいかようかな?」
 魔物の風体を持つ、エラブの父。が、アポロを草原に横たえさせたアドベルに、今一度、問い直した。
「薬を分けてもらいに来ました」アドベルはそう口に出す。
「妹が、病をもらいました。村の薬師では治る見込みはない様子でしたので、」
「なるほど、それで、この台地にあるという薬草…、もとい、私の調合薬をもらいに来たのだな」
「…毒薬をもらいにまいりました」
 顎を撫でるエラブの父の、その手が止まる。…
「確実に息の根を止め、後に、その体を金属に…自在な形にできるよう、私の意志をくみ取れる生きた金属に作り替えるための、…毒薬が欲しいのです」
「…」

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