=終章= |
「さて、私にいかようかな?」 魔物の風体を持つ、エラブの父。が、アポロを草原に横たえさせたアドベルに、今一度、問い直した。 「薬を分けてもらいに来ました」アドベルはそう口に出す。 「妹が、病をもらいました。村の薬師では治る見込みはない様子でしたので、」 「なるほど、それで、この台地にあるという薬草…、もとい、私の調合薬をもらいに来たのだな」 「…毒薬をもらいにまいりました」 顎を撫でるエラブの父の、その手が止まる。… 「確実に息の根を止め、後に、その体を金属に…自在な形にできるよう、私の意志をくみ取れる生きた金属に作り替えるための、…毒薬が欲しいのです」 「…」 |