=終章= |
「向いましょう」 スティアが口を開く。その言葉の端々に悔しさを滲ませつつ、…。 それに対し、エディルもアポロも無言でうなずいた。 その足を再び、[AGOTOW]の洞窟に向ける。 もちろん、戦うためではない。[AGOTOW]の脅威がなくなった事を確認するためではない。 アドベルに会うためである。 手遅れなのは、3人とも理解している。 それでも、…スティアは、一縷の希望を持っていた、 その体が無事でなくとも、命尽きずにいるならば、救える。 まだ、救える…。 たった、ただただ、その一縷の…希望。 もちろん、わかっている。そんな都合のいい事などないと。 それでも、自分たちは、アドベルに会わなければならない。 だから、再び、3人は歩みを洞窟にと向けた。 |