=終章=
[終焉との決別]
第47話・赤の144標

 


「向いましょう」
 スティアが口を開く。その言葉の端々に悔しさを滲ませつつ、…。
 それに対し、エディルもアポロも無言でうなずいた。
 その足を再び、[AGOTOW]の洞窟に向ける。
 もちろん、戦うためではない。[AGOTOW]の脅威がなくなった事を確認するためではない。
 アドベルに会うためである。
 手遅れなのは、3人とも理解している。
 それでも、…スティアは、一縷の希望を持っていた、
 その体が無事でなくとも、命尽きずにいるならば、救える。
 まだ、救える…。

  たった、ただただ、その一縷の…希望。

 もちろん、わかっている。そんな都合のいい事などないと。
 それでも、自分たちは、アドベルに会わなければならない。

 だから、再び、3人は歩みを洞窟にと向けた。

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