=終章=
[終焉との決別]
第49話・赤の147標
リボンを両の手で、そして、胸元に寄せたスティア。
…立ち上がり、…振り返り、…少しだけ距離を開けていた二人の元に歩み寄り、
…ただ立ち尽くすアポロの胸元へ頭を当て、…そう、…当てて、
彼女は、泣いた。
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい…」
スティアは泣き、謝り、泣き、謝り、そして、謝り続けた。
アポロはそのスティアに対し、抱きしめるでもなく、突き放すでもなく、立ち尽くし、…そう、大樹のように、待った。
彼女が、落ち着く。その時まで、…。
次に進む
/
読むのを終了する