=閉幕=
第7話・赤の152標

 

「ケルバー、ご苦労であった。戦場の後片付けもあろうが、いましばらくは勝利の祝杯としなさい。復興は、後日に話し合いましょう」
「はい、王女。承りました」
 歓声響く中、クリス王女が、兵士長であるケルバーに兵を引き上げるように指示を出し、
 そして、二人にと、振り返り、歩み、その鼻先にまで近づいた後、歓声の巻き上がる中、二人に聞こえる声でもって、語りかけた。
「…ご苦労様、…二人には、本当につらい思いをさせたようね」
 クリスの言葉に、スティアの顔が苦渋に歪み、エディルもまた悲しげな笑みをのぞかせた。
「皆には伝えたくない事実はあるのでしょう。…私の部屋に、行きましょう」

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