=閉幕= |
「お姉ちゃん!!」 ドアがバンっ!と開かれる。 心壊れた空気が広がる中、トゥアが部屋に飛び込んできた。 「ねえねえ、スティアお姉ちゃんが返ってきたの!エディルおばちゃんも帰ったんでしょ!」 3人がたたずむ中、軽やかな声が響く。 「…何のために戦ったのか…は、決まっているわ」 クリスが、そう言葉をつぶやいた。 そして、スティアの手から滑り落ちたリボンを取り上げ、トゥアの元に歩み寄った。 「トゥア、お行儀悪いわね。…お祭りに行きたいのね」 「うん、!で、お兄ちゃんはどこ!!」 その言葉に、スティアが引きつった。が、クリスは優しく微笑んで、トゥアを見て、… そして、手に持つリボンをトゥアの右手首にきれいにあしらってみせる。 「お兄ちゃんは、ごめんなさい。…私がお願いしたの。だから、しばらく戻ってこれないの。…トゥア、…ごめんなさい。でも、いい子にしてたら、絶対、お兄ちゃんは、たくさんのプレゼントをもって、トゥアの元へ戻ってくるわ…。」 「えぇええ〜…」 クリスの言葉に、トゥアはただ不満げにしてみせる。 「お姉ちゃんたちはもう少し整えてから、一緒に行くわ。だから、トゥア、お部屋で待っててね」 しかし、クリスの優しい笑顔に「本当!」と、ぱあっと輝かせて、「じゃあ、待ってるね!」と、部屋を駆け出して行った。 |