=閉幕= |
「何のために、なんて決まっている…私達の為よ」 クリス王女は、スティアにそう答えた。 「アドベルは、確かに、アポロのために戦ったのでしょう。でも、それも含め、私達のために、命を賭した。全てを知っていたから、全てを救いたかった。でも、だからこそ、…全てを救えない事も知っていた。それが蔑みに、理解されない、認められない、そうであったとしても、彼は考え抜いて、選び出した答えが、今の私達よ」 クリスは、そこまで言い、エディルに尋ねた。 「エディル、アドベルは何をアポロに捧げたかったの?」 「…束の間の…自由です」 「自由、…そう、」 エディルの言葉に、クリスはアドベルの為したかった全てを知ったかのように、うなずき、…。 そして、「二人に、…とりわけ、当時のスティアには、伝えれなかったことがあるの」と、話を切り出した。 |