=閉幕=
第14話・赤の159標

 

「クリス…王女、」
 スティアが口を開いた。
「クリス王女、お願いがございます…私を、行かせてください…」
 スティアが、…そう震える声で、そう進言した。
「私を、行かせてください!!」
「…、…。…」
 クリスは、少しだけ息を整え、…「よろしい。行きなさい」と、だけ答えた。
 その言葉に、…スティアは無言でもって、頭を垂れ、…その場から掻き消えた…。
 魔法でもって、…スティアは飛んだ。
 そして、クリスとエディルだけとなった部屋に、「スティア様は、二度とお戻りにならないかもしれませんよ」と、エディルはクリスに話しかけると、
 「そうね、アポロが生きてるでしょうしね」
 クリスは彼女の言葉に、そう軽口をついてみせる。

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