=記章= |
アポロの一呼吸をあけた返答に、マグデス王は、気持ち高ぶったのか、体震わせ、それから、王座に再び腰を下ろし、眼を閉じ、頭を上げる。 「なるほど、…私も年をとるわけだな…。ガイストの息子が、このように立派な青年となり、自分の目の前にいるのだからな。ふふふ…」 王は懐かしがるように軽い口調でそう語り、次いで「父は、ガイストは元気でおるか?」と、再び、アポロにと尋ねる。 「…、いえ」 その答えにアポロは眉を下げ、首を横に振り、「父は死にました」と、語る。 それはあまりに唐突で、王の表情を強張らせるに十分なものであった。 「数年前より治らぬ奇病を患い、闘病を続けておりましたが、去年の暮れに…この世を去りました」 「死んだ…、死んだだと…、ガイストが…死んだと…言うのか…」 |