=第一章= |
伝達への志願をしたアポロは、目の前の[AGOTOW]をなぎ払いながら、進む。 彼の振るう剣に切り裂かれた[AGOTOW]はことごとく、土くれと帰り、彼の進んだ後を小さな土山で埋めていく。 それにかまう事無く、アポロは先を急ぐ。… そう、胸に嫌な予感があったからだ。 そして、その嫌な予感は、別の方向で、…だが、あってはならない事柄が起こってしまっていた…。 進む先に、一際、集団となり、中央で何かを攻撃する[AGOTOW]の群れを見つけ、 「そんな…、…」 目の前に転がるのは、マグデス王であった。 あの美しく輝く白い甲冑は、ボコボコに凹み、王の血で汚れ、剥き出しの肌は全て赤黒く変色したかのように、殴打後が見える。 アポロが王の元に駆け寄ると、王はうつろな表情でアポロを見た。 王の口が動き、「アポロ」と、喋ろうとしていたが、ヒューヒューと、壊れた笛と同じ音だけが、響く。 アポロがその柄を掴むと、…王は、ただ悲しそうに、それでもシッカリとした瞳の色でもって、アポロを見て、…瞼を閉じた…。 そして、二度と動く事はなかった…。 「くっ…」王の死に、アポロは手に持つ剣の柄を握り締める。 カアッ! と、剣の柄に埋められた紫の宝玉が光り輝く。 …剣は次の英雄として、自分を選んだという事を… 「うおおおおお!!」 光に呼応して、…[AGOTOW]がアポロの元に歩み寄りだした。 瞳に涙を浮かべ、アポロは吼え続け、王の骸を置き去りに…また、 |