=第一章=
[A Hit of Hunch]
第18話・黒の24標

 

 アポロがガイストの剣を振るう。
 その軌跡は紫の筋を残し、…それに触れた[AGOTOW]は消し飛ぶ。
 そう、先程まで持っていた自分の剣では、数度と切りつけ[AGOTOW]は土くれに返っていた。が、
 その剣は違った。

  その剣に触れる度に[AGOTOW]は消滅していくのだ。

「…、…」
 その剣の威力に自身は戦慄き、アポロは吼え、さらに大きく剣を振るう。
 その何かに取り付かれたかのような狂気を吐き捨てるように、
 アポロは吼え啼いた。
 そのアポロの耳に一つの言葉が届く。

  -我を突きたてよ-

 それが何を示すのか、わかった…。わかったからこそ、アポロは、

  力の限りに地面へガイストの剣を振り突き挿す。

 ドン!と、地響いた感があったかと思えば、空より紫電が堕ち、剣に直撃すると、地面を縦横無尽に走る。
 紫電はアポロの周囲にいる[AGOTOW]に触れた瞬間、まとわりつく。
 そして、奇怪な悲鳴を上げさせ、…、霧散させていった。
 目に届く範囲の[AGOTOW]を消し飛ばした事を感じながら、アポロは剣を引き抜く。

  闘技場のように開けた空間の中、…一体の大柄な[Violthi]がアポロの前に対峙する。

 ソレを見据え、アポロは剣を構え、[Violthi]がその手に持つ棍棒を振り上げた。


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