=第一章= |
大振りの棍棒。横を払うように、振り降ろされるソレにアポロは、時計の針が9時を指す辺りよりゴルフスイングし、直撃する軌道の棍棒の節に剣を切りいれる。 剣は、まるでチーズを裂くように棍棒に入り、スパンっと根元から切り分ける。 手ごたえの無い[Violthi]は怒り、その手を振り上げる。 すぐさま、アポロは剣を持ち直し、その迫り来る拳に対して、突き上げた。 剣先が接触した瞬間、[Violthi]の拳が消え去り、腕の半分が霧散する。 驚き慄く[Violthi]へアポロは飛び込み、そして、その片足を輪切るように払う。 片足を失った[Violthi]が倒れこむのに、アポロはその切っ先を天にと向け、心臓を突く。 [Violthi]が啼く。 啼いて、そこを中心に、空気に貪り食われていくかのように穴を開けていき、 遠くの空に光の線が立ち上る。 それに呼応するよう、[AGOTOW]の全てが動きを止めた。 全てが無と化した…。そう、…全ての[AGOTOW]が…無と化した。 残ったのは、傷ついた兵士と、死んでいった兵士と、…息のない王の死骸と 勝ち鬨とも、絶叫とも、とれる、吼え続ける、アポロの姿のみであった…。 |