=第二章= |
つかの間の休息はでしかなかった。そう、再び、迫り来る[AGOTOW]の軍団。 この疲弊をした状況で持っても、彼らはこれを迎え撃たねばならなかった。 しかし、外城門を捨て、内城門を中心に城の守りを固める形をとり、城下町に罠を張る。 「皆のもの!」ケルバー長の声が魔法通信を通して、小部隊に分けられた城下町の兵士達に通達が行く。 「前回の戦いで、大きな犠牲を払った。しかし、その戦いの中で私達は、活路もまた見出した。私達は強い。彼らの猛攻とて怯む事無く、押しのける力を持つ!その活躍は城民にも響き、力を与えることだろう!!皆よ、心して迎え撃て!」 ケルバーの言葉に、城下町に展開する兵士は声を張り上げる。 その光景に、ケルバーは一瞥をし、後ろに立つアポロに視線を向けた。 「アポロ殿」そして、軽く一礼をした。 「今回の要は、あなた様に掛かっております。城の上級魔術師に転送と情報の任を与え、あなた様には、小隊の救援に回送していただきます。…このような方法、納得していただけないかと、思いますが…、連戦では立て直しが厳しく…」 「ケルバー兵士長。お気持ちは察します」ケルバーの言葉に、アポロは制止を入れた。 「ですが、これが最善と考えたならば、私はそれに従うまでです。…それに、兵士長。私はただの一平卒ですよ。今まで通り、皆と扱いを一緒で構いません」 「…、…」 ケルバーはただ押し黙り、…だから、アポロは国王より授かった剣を抜刀し、ケルバーを見た。 「作戦の指示、お願いします」 |