=第二章= |
抉れ散る石畳、…ふとすれば、その足場が砕け、足を取られるかもしれない状況の中、アポロは未だ戦いを続けていた。 城に徴収された兵の中でも、比較大きな体躯を持つアポロには鈍重なイメージを持ちがちだが、その動きは機敏に的確で、それでいて豪腕を振るう。 …が、しかし、今回の状況はいささか勝手が違った。 その相手があまりに巨躯であったからだ。 これまでの戦いであれば、疲れ知らずの運動量と的確な戦撃、王より託された紫の長剣は大抵の金属物質を軽々しく切り捨てる。形で、次々に戦果を上げていたわけだが、そのスケール全てが違いすぎた。 …防戦。そう、彼は防戦を強いられていた。 |