=第二章= |
周りより見守る者達は、その立ち回りに畏敬を思うも、その体格差に絶望を見つつ、その果敢と思えない飛び込みには、息を呑んだ。 振りあがる巨躯の剣。今や振り下ろさんと、限界に振りあがった。 「彼の者に罪あり!」その後方、高く高くそびえる建物の上より、甲高い女性の声が降り注ぐ。 「罪在りし者!自らの罪業の炎にまかれよ!」 声を上げた女性の呪法の言霊であり、その詠唱が終わった刹那、巨躯に向け、巨大な光の矢じりが打ち出された! 振りあがった剣の峰に当たる矢じり。瞬間、巨大な落雷が頭上より起こり、矢じりを印に降り注ぎ、その剣と共に辺りを砕け散らせた。 その衝撃に、ぐらつく巨躯。膝が軽く落ちたのを見たアポロはその膝に手をかけ、駆け上り、その首に剣の刃を潜らせ走らせる。 ズンっ…と、鈍い音が響く…。 その音の後、地面に降り立つアポロ。その背後には巨躯の頭だけが転がり、…ついで、先程よりも大きく響く音が響き、首を失った巨躯が後ろにと倒れ付す。 一瞬の静寂、…そして、…誰かが「勝った…」と、呟いた…。 城壁内に勝利の宣言が駆け巡ったのだった。 |