=第三章= |
「ところで、オルトって、どんな人なんです?北の賢者オルトについては、名前くらいは聞いていても、城より離れた村民の僕達には、偉い人。の一言ですから」 取り繕いの軽い咳き込みを見せつつ、アポロはそんな質問を、誰にでもなく、投げかけると、エディルが答える。 「気難しい方でしょうね。人と触れ合う事を極力避けられ、北の山岳地帯に身を置いていますし、王族に対しても、協力はしたがらない方です。魔術師達の移動魔法手段を禁止、封印しているのもそれの現れでしょう」 そこまで言って、エディルは小さな溜め息を吐く。 「正直、私の知っていることもこの程度の事ですわよ」 |