=第三章= |
通路を進み、小部屋にとたどり着いた3人の前、その重く閉ざされていた鉄扉が歪な軋み音と共に、徐々に開いていく。 中はこの部屋よりも寒いのだろうか…。その扉下からは白く濁った冷気が零れ出でて、3人の体温を少しばかり奪っていく。 『入りたまえ』 そして、開ききった扉より、厳かな雰囲気の老人と分かる声がどこからともなく、響き、3人の耳を撫でていく。 『私に聞きたいことがあるのだろう。早く、入りたまえ』 何か躊躇を覚える感じに、3人は二の足を踏むような面持ちで目でお互いを見ていたが、少しばかり強めの口調の声がひびいてきた。 声の響きに、意を決したように、アポロが一歩踏み出した。そして、それに続くように、スティア、エディルと足を部屋の奥へと向けた。 |