=終章= |
「アポロ殿、ここが北の看守塔…だった場所ですね」 馬車が小高い丘の上で止まる。 塔と歌われているが、その影はなく、広がるのは積み崩れた岩石ばかりである。 「たぶん、最初の襲撃で潰されたのでしょう…。悔しいですね。私が任務を終えていれば…」 スティアが口惜しそうに語り、…周囲を見渡した。 よく見渡せば、岩石の間にミイラ状態の死骸がそこかしこに転がっていた。 「そして、あそこが、私たちの目指す…」 苦い顔を見せるアポロに、エディルはその場所を指さした。 「[AGOTOW]の現れた洞窟です」 指さす先に、アポロは視線を向ける。 くぼんだ台地が見えた…。少し黒くくすんだ…瘴気的な空気が淀む中、その洞窟の口がぽっかりと開いていた。 「…、終わりにしましょう」 指を下ろしたエディルがつぶやく。 アポロも見据え、…小さくも力強くうなずく。 |