=第1章・第4部=
真吾

 

「…」
 そう…、そう分かってはいるものの、やはり、気構えがが出来ていたとしても、だ。
 暗黒に包まれた空間がいつまでも続く、今の状況には、心揺らぐものを感じる。
 どれほどの時間をここで過ごしたのだろうか、−数秒か、ー数分か、−数時間か、−数日か、−数週間か、−数か月か、−数年か…。
 等と、考えるだけ無駄な事と知ってはいる。なぜなら、ここは[時]空間だ。
 時間の概念とは、世界達が[時空間]に押し流され続けられる事で発生するものだからだ。
 [時空間]では、世界の持つ時間の概念は存在しないものであり、…故に、停滞と進行が同時に起こっていると考えるべきだ。
 [時空間]の流れの中で留まれれば「時は停滞」し、流されれば「時は進行」する。
 もちろん、理解に及ばない事で、ただ、そういうものだと、自分に何度と言い聞かせる、…。
 そうでもしていないと、…悪い言い方をすれば、暇、なのだ。

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