=第4章・第54部= |
「ナウ!大丈夫」 駆けつける奈々美の一声に「とりあえずはな…」と、壁伝いに立ち上がろうとするのを、美矢が押しとめた。 「おい!」「動かないで…、…。」 美矢が静止を促し、一つ呼吸をする。そして、小さな聞きなれない言語を発し、…その全身が仄かにオレンジ光を放ち、ナウの体をも包んでいく。 「どう?」「ん、ぁあ、…」 美矢が手を放し、ナウに問いかけた時、ナウがスックと立ち上がってみせた。 「口先は大物なのに、体は貧乏ね」「俺は技術屋だ。真吾と一緒にするな」 ナウの一様の有様へ奈々美は少しポカンとし、「ナウ、大丈夫?」と、再度問いただした。 |