=第5章・第3部=

 

「ナウ…」
「…悪い、姉さん。どうにも、あんな事を間近で見れば、…気分も落ちるんでね…」
 そこまで言って、ナウは手に持つ資料をハラリと机に落としてから、資料の中身を抜粋、復唱した。
「萩森小路、36歳。私立通崎高校、体育教員。独身。教育指導教員も担い、竹刀を常に持ち、体罰主義の熱血漢。熱血体育男子に支持されるが、基本、生徒には嫌われていると言っても、過言ではない模様」
 そして、視線を落とし、机を対に座る真吾に目線を送り、言葉をつづけた。

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