=第2章・第7部= |
二人のやり取りに一段落がついた、その上空ー。 雨か雪か降りそうな鉛色の厚くたれこめる雲。 そこに、にわかな慌ただしさが始まった。 風?が吹き荒れるのか、空中で竜巻でもあるのか。 雲がうねり、よどみ、そして、走る。 方向性はなく、縦横無尽とも見えるが、その実は、一か所に向けて蠢いており、積み重なっていく。 しかし、積み重なるとしたら、積乱雲を思い浮かべるだろうが、ソレは違い、まるでツララの如き様でもって、雲が一か所に垂れ下がっていくのだ。 そして、いよいよ地上に到達しようかと、雲が伸び切った瞬間、空の至る処より紫電が生まれ、駆け、目指し、そして、ツララ雲を粉砕する稲光を発した。 ツララ雲の下にあった丘の上に立っていた木は弾け、そして、…静寂が訪れる…。 |