=第3章・第4部=
原線路界町

 

 学校外で顔を合わせると、たまに出る二人の恒例事項でもあるが、久美は若干辟易な表情で応答しつつ、「でも、珍しいですね。二人が一緒なのも」と、二人の顔を見て、そう尋ね返した。
「おばあちゃんの代わりだよ」奥にいた詰め寄りの男子がだるそうに声を出す。
「まったく、おばあちゃんが遠出してるからって、なんで俺が出なきゃならないんだよ」「ナウ」「へいへい、申し訳ありませんって。お姉さま〜」
 それはもう、ダラダラと文句そうな語り方に、奈左水が軽く釘をさす。
「という事は、先生とナウも、久美ちん家に来るの?」
 その二人のやりとりに、菜々美が少しだけ瞳を広げてみせると、奈左水はニッコリと笑った。
「向かう場所は一緒なんだから、後ろに乗りなさい。一緒に行きましょう」

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