=第3章・第11部=
原線路界町

 

「ところで、え〜っと、…真吾君」家に上がった四人と真吾は、会席の設けられた大広間に向けて歩いている途中、奈左水が声を上げる。
「見た所、久美達と似たような感じだけど、…歳はいくつ?」
 奈左水の質問に、少々…物憂げな感じの視線を見せた後、「…、13…です」と、答える。
「おお、同い年〜」
 声を上げたのは奈々美だった。そして、続けざまに「じゃあ、じゃあ、転入ってこと?」と、真吾に問いかける。
 それに対しても、…奈々美の押しに少々な苦笑いを浮かべつつ、「そういう事…に、なるようですね…」と、答えてみせた。
 真吾の言葉にさらなる感嘆な「おお〜」とする奈々美に、ただただ、ムスッとした表情を見せてしまう久美が「はしゃぎすぎ」と、毒づいた。…そして、どこかその不愉快さが際立ったのか、ふと、次の事を口走ってしまう。
「だいたい、今頃、転校生…?おかしくない?」
 その言葉に、真吾を除く三人は歩みを止め、真吾のみが二、三歩いてから、立ち止まる。そして、振り返る事なく、その背で久美の言葉の続きを待つ。
「…もうすぐ、冬休み…よ。前々から、とかならともかく、いきなり来て、すぐに転入?…何かおかしくない?」

次に進む/読むのを終了する