=第3章・第15部=
原線路界町

 

 智恵美の言葉に、まず飛びついたのは奈々美で料理の並ぶテーブルの中央にドンと腰掛け、居並ぶ料理、料理、料理の山に視線巡らし、生唾が少し口元から垂れてもいる。
 その様に、久美は眉間にシワを寄せつつ、…奈々美の右隣に腰を据え、続いて、ナウ、奈左水と並ぶ座布団に腰を下ろしていく。
 そして、真吾はというと、テーブルの反対に回り、…ただ、テーブル周りには腰を降ろさず、半歩下がった所でやっと腰を降ろしてみせる。
 この様子が目の片隅に入った久美。だから、奈々美への視線をテーブル向かいにと、向けさせた。
 後ろに座る真吾とその右横には、これも自分達と同い年であろう緑色の少し暴れた様のある長髪の少女。
 それから、真吾達の前にテーブル越しに座る三人。
 中央には、何か大型の動物のなめし皮で繕われたマント?のようなローブでもって、首から下をすっぽり隠した、初老のシワを顔に刻み、そして、両目をしっかり閉じた黒髪の男性。
 右横には、後ろに座る少女よりも鮮やかな黄緑色に綺麗なストレートをした、少し気の強そうな表情の女性。
 反対の左側にも、女性だが、栗色のショートの、柔らかな笑顔を浮かべる女性。
 の五人の姿があった。
 皆が皆、真吾と同じ、古風な感じを持つ衣装をしており、どこか異界な雰囲気を持っている、というのが、久美の率直な感想であった。

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