=第3章・第28部=
原線路界町

 

「…ねえ、ナウ」不意に、奈左水が言葉を不意に挟む。
「もし、本当に、その脅威が来ているなら、今の今まで、何もないの?それは多少のいざこざはあったけれども、そんな大それた者はいなかったし…」
「愚問」奈左水の言葉をナウが一蹴する。
「影拡おじさんの今を見れば、分かるだろう。稀代の超能力者とも言われた影拡おじさんを…。このサードに街の住人丸ごとと大人数ではあるものの、時空を越えるのは相当の代償が入る。未だ意識混濁で植物人間としている様から、…一人であろうと、たかが能力者だ…。時を超える事は容易でないのは想像つく」
 ヤレヤレとばかりに溜息もついて見せるナウの態度に、奈左水は若干青筋を浮かべそうになる。のを、ぐっとこらえて、まだ続くだろう言葉を持った。

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