=第3章・第37部=
原線路界町

 

「力、早さ、技術」全ての攻撃を優しく受け止めた真吾は、自分を見下ろし、涙に歪む顔を見せる久美を、まっすぐ見、語り掛ける。
「そう、その全てが素晴らしい…。あなたは、とても強い」
 涙ぐみ、えづきそうな久美の顔を見ながら、真吾は、残っている右目に信を宿し、言葉語る…。そして、

 「けれど、…これから起こるであろう事には、あなたは決して、参加できない…」

 スッと、触れていた拳を離し、自失する久美の延髄にトンっと手刀を当てた。 

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