=第3章・第40部=
原線路界町

 

 「独りにして…」

「…。」奈々美は、その言葉に口を開きかけ、…るが結び、久美の背中越しに微笑みかける。
「お腹すいたら、居間の方にいるから、…来てね。…お休み」

 奈々美の言葉から少しして、カチャリパタンと聞こえるドアの音。トントントン…と足音が遠のいて、消えて…静かになって、…久美は布団を巻き込んで、丸くなる。
「…何、やってたんだろう…私…」
 そして、ただただ、悔しさに自分を罵り、…ぎゅっと小さく縮こまったのだった。

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