=第4章・第1部=
始まり

 

「いらっしゃいませ、ご来訪の件、承っております。どうぞ、お上がりください」
 来訪者ある家の前に差し掛かると、その存在を待っていたのだろう、一人の女性が綺麗なお辞儀をして見せる。
 中華女性を思わせる彫り深く目元きつめに仕上げられた化粧に、左右に一つずつ中華風なお団子で翠髪をまとめている、メイド服の女性である。
 身長の程は久美よりも高いが、その胸は久美とも引けを取らず、素朴なイメージのメイド服にはちきれんばかりな感じで見せつけてもいる。

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