=第4章・第4部=
始まり

 

 どこはかとはかなく、とんでもない事実をサラッと語ったナウであったが、来訪者のほうは、驚いた様子もなく、彼の続く自慢話を待った。
「君も知っていると思うが、睦月家を親に持つ室戸家で、もちろん、睦月家の悲願でもある自立人形を作りあげる事なんだが、やっと今、あそこまで取りついた所だ。特に、エネルギーを魔素にと変換する技術を使い、人工肌を回復魔法で修復し続ける技術と躍進的な事を行い、人間に近しい所まで来た。これを改革と言わず、なんであろうか!」
 そこに、来訪者が少しだけ手を淀ませる。…「失礼失礼」と、頭を掻くナウ。
「実の所、君の状態の話を聞いてね、もしかしたら、この人造計画に、まさに一石を投じる事ができるのでは?と、先走ってしまった。すまない」
 そこまで言い、「本題だが」と、ナウは真顔でもって、来訪者を見返した。
「まずは、状態を知りたい。その包帯を取ってくれるかな」

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