=第4章・第7部=
始まり

 

「つかぬ事を聞くが、…魔宝は作れるかい?」
 ナウの問いただしに、来訪者は、一応、と頷いてみせる。
「いや何、…な。解決策ではないんだが、打開策として、大きく力を使う必要性がある。つまり、発散だな。特に高等な魔宝は力の凝縮率は高く、強大な魔力が必要だ。故に、歴戦の魔導士とて、容易と作れない訳だが。君の場合、その外部から来る有り余る力があり、普段の生活さえ危険のはらむものだ。そこで、魔宝を作り、魔力を全放出する事で、しばらく力の空洞を作り、そこに流し込む事で一時的な回避を行おうという寸法なんだが、…どうかな?」
 長々とした説明であったが、来訪者は、なるほど、とうなずく。
「後、できた魔宝については、だが、それは俺が引き取る形だ。人造計画に一石と言ったが、それがまさに魔宝なんだ。特に、高等で高純度の魔宝が必要で、数が欲しい。そういう次第だが、どうかな?」
 ナウの話の持ちかけに、来訪者は了承のうなずきを見せる。

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