=第4章・第13部=
始まり

 

「断然いいよ〜。包帯姿より格好良いし、似合ってる。似合ってる」「だろぉ〜、俺のセンス、っぱねえっしょ♪」
 奈々美の感想に、反応早くナウが答えるが、先ほどと同じく全無視され、やれやれと肩をすくめ、どうぞと、手の甲でピッピッと払う仕草を真吾に向ける。
「…、…」しばらく、汽車の揺れに身を任せていた真吾はサングラス越しから奈々美に視線を向けて、口を開いた。
「奈々美さん、あなたも強い人ですね」

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