=第4章・第14部=
始まり

 

 その言葉の真意が分からなかったようで、奈々美は首をかしげる仕草を見せたものだから、真吾は言葉を続ける。
「昨日、あのような事を聞いたにもかかわらず、私に気さくと話しかけてくださる…。あなたも強い方ですね」
 そんな真吾の言葉に、昨日の二人の話を知らない三人は、…久美は昨晩の負けを思い出したのか顔陰り、ナウは内容を知らなくても何か察したのか先程まで軽口たたいた口を結び、外を見て無関心を決めていた美矢も…ピクリと肩を震わして視線を少しばかり内輪にと向けた。

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