=第4章・第16部=
始まり

 

 奈々美の言葉に、再び、ガタゴトと汽車の走行音だけが響き、響き…、「ハハハ」とナウの笑いで、場の静寂が崩れた。
「いやいや」ナウが笑い、真吾を見る。
「これは、完全に真吾の負けだね。恐れ入ったもんだ」
 真吾の代弁とばかりに笑うナウ。そして、真吾も苦笑いを浮かべ、「まったくですね」と、返すのが精いっぱいなようであった。

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