=第4章・第17部=
始まり

 

 汽車が到着したのは、三駅ほど進んだ地方市の駅に到着した。
 駅を出れば、コンクリートジャングル…には程遠いものの、七〜八階建ての鉄筋コンクリートビルが駅前通りを彩り、絶え間なくではないが、切れ切れの車間で車が往来をし、賑わいの程は遠目にあるアーケード街にまばらと人影が見える程度の地方都市である。
「凄い都市ですね」ただ、真吾の感想はそれだった。美矢に至っても、その光景に目を見開き、キョロキョロとさせている。
「予想通りに驚いていただけると、こちらとしても満足至悦ですな」
 ナウはそんな二人の様相が、本当に嬉しかったのだろう。この上なくニタついた顔を二人に見せる。
「さぞ、名のある都市だと思ったのですが、違うんですか?」と、ナウの表情具合で、真吾は驚愕を示す。

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