=第4章・第18部=
始まり

 

「一応、名はあるけど、知れ渡るもなし、これといった特産もなし、…真吾君の考え方で言えば、辺境の片田舎、って感じだね。ちなみに、わが町、原線路界町は秘境の部族といった所かな」
 ナウの例えに、真吾も美矢も信じられないといった感じである。が、…ナウは理解してもらえるようにと、二人に語る。
「この世界はね、一定以上の武力闘争を規律で諫められた世界だ。だから、ある程度の安全が約束されていて、…それなりの平和が求められている世界でもある。でもって、人は寿命でもって、死ぬのが全うであり、それが自然であると考えられているから、人は長く生き、増えていくという寸法なのさ…。お判りいただけたかな?」
 それでも半信半疑な感じである二人であったが、「まっ、じきに慣れるさ」と笑い、「後は道すがらに、話しながら行こうぜ」と、歩を進めるナウだった。

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