=第4章・第25部=
始まり

 

「ぇえぇ?でも、真吾君達はここに来たんでしょ」
「ああ、だから可能だ」奈々美の聞き返しに、ナウが頷き、再度、首を横に振った。
「奈々美が望むのは[安全]な移動を言っている、と、俺は捉えたがね?違うかい?」
「…」奈々美の無返答を是正ととらえたナウが話を続ける。
「その前に、平行世界の存在の実証と、どのようにして、平行世界を移動するのか、を言わないといけないかな」
 そして、席においてあるシュガースティックを二本取り出し、机の上に平行に並べてみせる。
「一本が一つずつの世界だとしよう。片方がセカンドとして、もう一方はサードだ。どっちがどっちかはご自由に」
 ナウは、少しだけニタリとしてから、指を二本のスティックの中央にあてがい、すっと平行に走らせる。

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