=第4章・第30部= |
「えっと、ワープだったかな?そうそう、ワープを研究している時に、時空間を発見した。ここまではいいね。それで、時空間の発見で、ファーストの人類は、これをエネルギー・移動手段にと使う技術を開発した」 「エネルギー?」ナウの言葉に奈々美が訪ね返す。 「そう、エネルギー。ちょいちょいと話しているが、時は流れて、世界を押している。つまり、比喩的に言えば、時空間は流れの激しい大きな河で世界はその河を進んでいく艦。で、艦から河の流れに水力発電する感じだね。流れはすさまじく、淀みもない、時間そのものだからクリーンで空気も汚染しない、そして、切れることもなく、また好きな所で発電ができ、携帯できるほど小型でも、大型旅客機くらいなら、十二分に飛ばせる…、そう夢のようにも感じるエネルギーだね」 と、嬉々とした口調のナウに、久美は眉を歪める。 「オチ、あるんでしょ?」「手前味噌ながら、もちろん…」 |