=第4章・第31部=
始まり

 

 ナウの性格として、話に裏があれば自らを茶化すような口調で語る。…そして、右の人差し指を突き上げた。
「さて、俺は世界を艦と例えたが、どのような艦か、は言ってない。では、どんな艦か?だが、…」
 そして、その人差し指を机に押し当て、透明な線を引いていく…。その形とは、魚のような形を描き、指で描き終えた時、「潜水艦だ」と、ぼそりと言った。
「…決められた手続きを踏み、ハッチから出れば、無問題だが、…ファーストの人間はエネルギーほしさに、[穴]を開けたのさ。浸水を防ぐために頑丈に作られた潜水艦の壁をガリガリゴリゴリ、開けたらそのままで新しい穴を開けて、…さぁ、穴がそこら中に空いてしまった潜水艦の運命は?」
「沈没…だね」奈々美が寂しそうに言ったが、ナウは「残念ながら…」と、首を振る。

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