=第4章・第32部=
始まり

 

「時の流れはあまりに強い、…水没で済めば可愛いもの、水圧で穴に亀裂が生じ、穴同士の亀裂が繋がれば断裂。…潜水艦は崩壊だよ」
「じゃあ、ファーストは…」奈々美は、涙浮かびそうに問いただす。
「いや、まだ消えてはいないだろう。世界とは、そんなに小さいものではないようだからな。…ただ、もう崩壊から免れられないだろう。そう、最初のひとつ目が開いた時点で、崩壊は始まっていたのさ」
 ナウはそう言いつつ、真吾を横目で見た。

  「[時空間]へ[穴]を[あける]というのが、どういう事か分かってくれたと思う…」

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