=第4章・第37部=
始まり

 

「はは、参った。降参。…許してもらえないかな?」
 美矢の言葉に、ナウが両手を上げるものの、美矢の吊り上がった眉が戻らないのに、「これは、極度なブラコンですな」と、小声でうそぶいた。
「美矢さん」「何?馬鹿二」奈々美が声を美矢にかけると、美矢は即座にそんな返事を返す。
「…、人を馬鹿馬鹿言わないでよ」さすがに、奈々美も据えかね、反論をすると、今度は美矢が溜息顔を見せる。

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