=序章=

 

それは何の音だったのだろうか

たぶん
自分の鼓動の音だったはずだ

だが、本当にそうなのであろうか

いや事実であるはずだ

なぜなら
自分の胸に手を当てて 確認しているのだから

なのに
それでも信じられずにいる自分
こんなに早く鼓動しているのに

 

それは何の囁きであったのだろうか
たぶん
彼女の囁きであったはずだ

だが、本当にそうなのであろうか

いや事実であるはずだ

なぜなら
彼女は 僕の傍らに立ち
耳元に…口を近づけているのだから

なのに

それでも信じられずにいる自分

彼女が自分の手を握っているはずなのに


次に進む/読むのを終了する