=第二章・第二部=
=2日目=

 

「母さん、今日、室戸さんの所にいってきますね」
 朝食は簡素でありきたりな、味噌汁と胴体のみの川魚らしい焼き魚に、豆腐の味噌汁の上、真っ白いご飯、というものを付け合せの沢庵と一緒に食している最中、兎萌が箸先を止めて、母親に顔を向ける。
「んあ?室戸の所?」それを、母親ではなく、父親が受け答え、茶碗を置いた。
「なんで、また。特に用がないんなら、先方に悪いぞ」
「こんな田舎なんだし、昭汰さんにもちょっと自慢できる場所って、あそこくらいじゃない」
 昭汰は、そんな二人の会話で、その室戸の家というのが、[
ShadowBlain]という事なのが分かった。
 そして、その言葉に、父親は、なんとなく眉をゆがめたが、「分かった、私のほうから電話を入れておくよ。」と、溜め息を漏らした。
「もう、そんな大げさに言わなくても」その言葉に、兎萌は眉もゆがめた。
「同級生の家に遊びにいくだけで、そんなのされたら、私が恥ずかしいじゃない…」
 その言葉に、昭汰が面を上げたが、…それでも、どうでもいいか、という感じに、顔を膳の方に戻し、また一切れと、沢庵を口にくわえたのだった。

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