=第二章・第九部= |
「ほお、なかなかのもんだな」 室戸が何か息巻いて、タネを解いてやる!!と、突っかかり、同じカード当てを始めて、何度目かだろう。 昭汰の後ろからそんな声がかかった。 「あら、お帰り。ナウ」 彼が振り返り、見上げた瞬間、室戸はにっこりと微笑み、そう言葉をかけた。 「ああ、姉さん。ただいま。兎萌もこんにちは」 「こんにちは。昭汰さん、この人が、室戸奈右闇で、合わせたかった人よ」 そういって、兎萌も微笑み、昭汰にそう告げた。 「あ、ああ、俺に客か」 その言葉に奈右闇は昭汰の方を見た。 奈右闇の非常に目を引くのは、やはり、まっかな学生服であろう。 通常、良く見かけるツメヨリも真っ赤に染まり、ズボンさえも真っ赤である。 赤といっても、血のように、や、薔薇のように、ではなく、少し、明るさを抑えた赤ではあるが、… ついで、引くのは、やはり、姉弟という事で、青い髪であり、それが無造作なざんばらに伸ばしに伸ばしているのだ。 「名前は?」「栗本昭汰…です。」 見るからに自分よりも年下だろうに、既になにかしらの自信ある貫禄に少々昭汰は怖気づきながら、返答すると、奈右闇はニコっと笑った。 「改めて、だが、俺は室戸奈右闇。そっちの姉さんは奈左水。ま、ナウって呼んでくれたら、いいよ」 「ふふ、どう、なかなか面白そうな人でしょ?彼」 |