=第三章・第四部=
=3日目=

 

 50辺りで数えるのをやめた階段…。それを昇りきるころには、…昭汰は少しばかり後悔をした。
 これをまた、降りるのか…と
「…」
 そうはいっても、この学校に登校する生徒は、これをこなしているのだろう。そう思うと、なんだか、情けないような気もする。

 気を取り直し、昭汰は正面にそびえる中央棟へと足を進めた。
 近づくにつれ、その広大で直立不動の建物の様に…ふと、兎萌の会話がよみがえる。

  「ここじゃ、そんなビル建てたって、田んぼの日照の邪魔でしょ」

「この建物も、十分、それに値するような気もするけどね…」
 ちょっとそんな皮肉をうそぶきつつ、正面玄関へ足を進め、近づかぬ間に開くガラス戸に…少し足を緩めるも、それから、構内へと進んでいった。

 屋内は、静かなもので、秋風が吹き込むのだろう…。少しばかり、汗ばみが抑えられた。
 一度、周囲に視線をめぐらすと、その両方向へ伸びる斜めの廊下は…後方に東棟、西棟にと繋がっているのだろう。
 そして、視線を正面に目を向ければ、外部者の受付だろう。カウンターが設置されていた。


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